「この曲を使って、あとで怒られたらどうしよう」。動画は作れたのに、音のところで手が止まる。私も同じところで止まっていました。
顔も声も出さない動画を200本以上出してきましたが、著作権侵害の警告はこれまで一度も受けていません。特別なことはしておらず、確認する場所を決めているだけです。
この記事でわかること
- 怒られたとき実際に起きること
- 安全に使える無料BGMの入手先
- 危ない音に共通する特徴
- AI音楽を使うときの注意点
- 使う前に見る3つの確認事項
先に結論をお伝えします。怖いのは知らないことであって、確認さえすれば無料の音でも安全に使えます。判断の手順をこれから順番に説明します。
無料BGMで怒られる仕組み

まず、何が起きるのかをはっきりさせます。多くの方が怖がっているのは、実際には3つの別々のできごとが混ざった状態です。動画に申し立てが入ることと、チャンネルが消えることは、まったく違う話でした。ここを分けて理解するだけで、恐怖の大半は消えます。怖さの正体は、起きることを知らないという一点にあります。順に見ていきましょう。
著作権の申し立てと警告の違い
この2つはまったくの別物です。YouTubeの公式ヘルプにも「著作権侵害の警告は、著作権の申し立てとは異なります」と明記されています。申し立ては、システムが音を自動で見つけて権利者に知らせる仕組みで、違反として数えられません。一方の警告は、権利者からの削除要請にもとづく処分です。同じ「著作権」という言葉でも、重さが違います。AIで作った曲に実際に申し立てが届いた例は、Content IDの仕組みと対処をまとめた記事に書きました。
収益が取り上げられる流れ
申し立てを受けると、その動画の広告収入は権利者に渡ります。動画自体は消えず、公開も続けられる場合がほとんどです。つまり起きるのは、削除ではなく収入の行き先の変更でした。もちろん収益化を目指すなら困りますが、チャンネルが危険にさらされる話ではありません。
チャンネルが止まる条件
チャンネルが止まるのは、著作権侵害の警告を受けたときです。公式の案内によれば、90日以内に警告を3回受けるとチャンネルが停止されます。逆に言えば、1回で終わりではありません。警告には期限があり、条件を満たせば90日で消えます。初回であればコピーライトスクールの受講という道も用意されています。
安全な無料BGMの入手先

仕組みがわかったところで、では何を使えばよいのかに進みます。無料で使える音は思っている以上に多く、選択肢がないから危ない音に手を出さざるを得ない、という状況ではありません。むしろ多すぎて選べないことのほうが、手を止める原因になっています。ここでは4つの入手先を、安全度の高い順に並べました。迷ったら一番上から試すのが確実です。最初のうちは、ひとつに絞って使い込むほうが混乱しません。
YouTubeオーディオライブラリ
最初に試すべきはここです。理由は、YouTube自身が用意している音源だからで、公式ヘルプによればここからダウンロードした音源が権利者からContent IDの申し立てを受けることはありません。YouTubeパートナープログラムに参加していれば、これらの音を使った動画を収益化できます。迷ったときの基準として、これ以上わかりやすいものはありません。
フリーBGMの配布サイト
個人や団体が公開している配布サイトも使えます。ただし条件はサイトごとに違い、収益化を禁じているところ、クレジット表記を求めるところ、商用利用に別の手続きを要するところが混在します。名前が知られているかどうかは判断材料になりません。使う前に、そのサイトの利用規約のページを開いてください。
有料サービスの無料枠
月額制の音源サービスにも、無料で試せる枠が用意されている場合があります。曲数は限られますが、条件がはっきりしている点は安心材料です。本数が増えて音に個性を出したくなったら、こうしたサービスを検討する段階に入ります。最初から契約する必要はありません。
AIで自分で作る方法
私が実際に使っているのはこの方法です。AIに雰囲気を伝えて曲を作らせるため、他の誰とも重なりません。ただしAIで作った曲なら自由に使える、という理解は正確ではありません。使えるかどうかを決めるのは、そのサービスの規約です。ここには落とし穴があるので、後ろで詳しく扱います。具体的な使い方はSuno AIの使い方を初心者向けに解説した記事にまとめました。
著作権が危ない音の特徴

次に、避けるべき音の話をします。危ない音には共通した見た目があり、慣れると数秒で見分けられるようになります。法律の知識も、音楽の知識も要りません。見るのは音そのものではなく、その音がどこから来たかという情報だけだからです。逆に言えば、ここを見ない限り何年やっても不安は消えません。出どころをたどれない音は、それだけで避ける理由になります。3つの型を覚えてください。
出どころが書かれていない音
まず、誰が作ったのか書かれていない音は使わないでください。理由は、問題が起きたときに調べる手がかりが何も残らないからです。作者名も、使用条件のページも見当たらない音は、たいてい誰かの音を持ってきたものです。無料と書いてあることは、使ってよいことの根拠になりません。
動画から抜き出した音
他人の動画から音だけを取り出して使うのは、たとえ短くても避けてください。「数秒なら大丈夫」という説明を見かけますが、公式にそのような基準は示されていません。自動の検出は数秒でも反応します。作業としては簡単にできてしまうぶん、手を出しやすい落とし穴です。
転載サイトのフリー素材
「フリー素材まとめ」といった形で音を集めているサイトにも注意が必要です。集めた側が権利を持っているとは限らず、元の配布条件が抜け落ちている場合があります。たどるべきは、まとめたサイトではなく元の配布元です。元がわからないなら、その音は使わないでください。
AI生成音楽の落とし穴

ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。AIで音楽を作る人はこの1年で一気に増えましたが、規約まで読んでいる人はほとんどいません。私自身も、この記事を書くために読み直して初めて気づいた点がありました。使い方が簡単なぶん、条件を確かめないまま公開まで進んでしまいます。AI生成だから安全という思い込みが、いま一番危ない場所です。実際のサービスの規約を例に説明します。
規約はサービスごとに違う
AIで作った曲を使ってよいかどうかは、法律より先にサービスの規約で決まります。理由は、生成した曲の権利をどう扱うかを各サービスが自分で定めているからです。同じ「AI音楽」でも、商用利用を認めるところと認めないところがあります。使い始める前に、そのサービスの利用規約を一度は開いてください。
無料プランは非商用の場合
見落としやすいのがここです。私が使っているSunoの規約には、無料プランについて「個人的で非商用の目的にのみ使用する」という趣旨の記載があります。一方で有料プランでは、生成した曲の権利が利用者に譲渡されると書かれていました。つまり同じサービスでも、プランによって扱いが変わります。収益化を考えているなら、まず自分のプランを確認してください。
警告がないことの意味
私は200本以上出して、著作権侵害の警告を一度も受けていません。しかしこれは規約を守れている証明にはなりません。AIが作った曲は自動検出のデータベースに登録されていないため、そもそも検出されにくいからです。警告が来ないことと、条件を満たしていることは別の話でした。判断の基準を、警告の有無に置かないでください。
BGM使用前の3つの確認

最後に、毎回やる確認をまとめます。項目を増やすと続かなくなるので、3つだけに絞りました。慣れれば1分で終わる作業です。しかも新しい音源を使い始めるときだけやればよく、同じ音源を使い続けているあいだは必要ありません。つまり負担は最初の一度きりでした。この3つを通した音だけを使う、と決めてしまうのが一番確実です。順に説明します。
商用利用してよいか
最初に見るのは商用利用の可否です。ここが認められていなければ、他の条件を見る意味がありません。配布ページか利用規約に「商用利用可」と書かれているかを探してください。書かれていない場合は、可能と判断せず、問い合わせるか別の音源にしましょう。
クレジット表記が要るか
次に、名前を書く必要があるかを見ます。YouTubeのオーディオライブラリには、クレジットの表記が必要な曲と不要な曲の両方が入っており、絞り込んで探せます。必要な曲を表記なしで使うと、条件を満たさないまま公開したことになります。表記が要るなら、概要欄に貼るだけです。
収益化してよいか
3つ目は、広告収入を得る動画で使ってよいかです。商用利用可と収益化可は、必ずしも同じ意味では使われていません。趣味の動画なら問題なくても、収益化した瞬間に条件から外れる音源もあります。将来収益化するつもりなら、最初からその前提で選んでおくと後戻りせずにすみます。
無料BGMの著作権Q&A

ここからは、実際によく聞かれる質問にお答えします。どれも私が最初に不安だったことばかりで、検索しても断片的な情報しか出てこなかったものです。同じところで悩む人が多いということは、それだけ答えの見つけにくい部分だという証拠でもあります。答えを先に知っておけば、迷って手が止まる時間を減らせます。わからないまま止まっている時間が、いちばんの損失です。気になるものから読んでください。
警告が来たらどうするのか
まず落ち着いて、それが申し立てなのか警告なのかを確認してください。前半で説明したとおり、この2つは別物です。申し立てであれば違反として数えられません。警告だった場合も、心当たりのある音を差し替えて対応します。初回であれば、コピーライトスクールを受講する道も用意されています。
クレジットは必ず必要か
音源によります。YouTubeのオーディオライブラリには表記が不要な曲も多く用意されており、フィルタで絞り込めます。表記が必要な曲を使う場合は、指定された文言を概要欄に貼ってください。**判断に迷ったら、表記が不要な曲だけを使うと決めてしまう**のが早いです。
有名な曲を短く使うのは
短くても避けてください。何秒までなら許されるという公式の基準は示されておらず、自動検出は短い部分にも反応します。テレビ番組で流れているからという理由も根拠になりません。放送局は使用の許諾を得ているためです。
自分で演奏すればよいのか
自分で演奏した場合でも、曲そのものの権利は作曲者に残ります。演奏の録音が自分のものになるだけで、曲を使う許可とは別の話です。有名な曲を自分で弾いた動画にも申し立てが入ることがあります。安全に進めるなら、曲自体が自由に使えるものを選んでください。
過去の動画も直すべきか
不安な音を使った動画が残っているなら、確認しておくことをおすすめします。理由は、問題のある音は時間が経ってから見つかることがあるからです。すべてを作り直す必要はなく、音源を差し替えて再アップするか、非公開にするだけでも対処になります。本数が多いなら、再生されているものから順に見ていきましょう。
収益化前なら大丈夫なのか
収益化していない段階なら、収益に関する条件は関係ありません。ただし商用利用の可否は、収益化の有無だけで決まるとは限らず、サービスごとに書き方が違います。あとから収益化する可能性があるなら、最初から収益化してよい音源を選んでおくほうが安全です。作り直す手間を考えれば、そのほうが早く済みます。
まとめ
無料のBGMでも、確認する場所を決めておけば安全に使えます。怖いのは音そのものではなく、どこから来たかわからないまま使ってしまうことでした。権利と同じくらい見落としやすいのが音量で、投稿した動画の音量が小さい時の直し方にまとめています。
今日からやる3つの手順
- 使う音源をひとつに決める
- その規約ページを一度読む
- 商用利用と収益化の可否を確認する
まずはYouTubeのオーディオライブラリから始めてください。今日やることは、使う音源をひとつ決めることだけです。それだけで、止まっていた作業が動き出します。
編集ソフトがまだ決まっていない方は、無料で試せるものから始めるのが確実です。Filmora無料版の制限とロゴを調べた記事もあわせてご覧ください。そもそもどんな動画を作るか迷っている方は、顔出しなしで続けられるジャンル7選から読むと順番がつかめます。


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