「無料で始めたいけれど、無料版だと結局まともに作れないのでは」。動画編集ソフトを探していると、必ずここで手が止まります。
私はFilmoraで顔も声も出さない動画を200本以上作ってきました。この記事では、無料版で本当にどこまでできるのかを、公式の情報と自分の使用経験の両方から整理します。
この記事でわかること
- 無料版でできること7つ
- 無料版にだけある制限
- 有料版に変えるべき時期
- 料金プランの中身と選び方
- 収益化する人が注意すべき点
結論を先にお伝えすると、最初の10本は無料版だけで問題なく作れます。むしろ、いきなり買わないほうが失敗しません。理由をこれから説明します。
Filmora無料版の基本

まず前提を整理します。Filmoraの無料版は「お試し期間だけ使えるもの」ではありません。公式サポートには、ウォーターマーク付きの無料トライアルに有効期限はないと明記されています。つまり期限を気にせず、納得するまで使い続けられます。ここを誤解して「30日で使えなくなる」と思い込み、あわてて購入してしまう方が少なくありません。まずは無料版の位置づけから見ていきます。
無料版と有料版の違い
無料版と有料版の差は、機能の数ではありません。公式の説明によれば、無料版でも有料機能を含めてソフトの機能をひととおり試せます。違いは主に、書き出した動画に入る透かし、AI機能の使用回数、使える素材の数の3点です。つまり編集の練習をする段階では、無料版で足りないものはほとんどありません。
使えるパソコンの条件
必要な性能は公式サイトに動作環境として掲載されています。3年前の10万円台のノートパソコンでも、短い動画であれば編集できます。ただし書き出しには時間がかかります。私も以前は、寝る前に書き出しを始めて朝に確認していました。動かないのではなく、待ち時間が長くなるだけだと考えてください。必要な性能の具体的な目安は、安いパソコンは何万円必要かを検証した記事で数字を出しています。
料金プランの種類
個人向けには年間プランと永続ライセンスがあります。年間プランは1年ごとの支払いで、永続ライセンスは買い切りです。このほかに法人・商用向けと、学生・教職員向けが用意されています。自分がどれに当てはまるかは後半で詳しく扱いますが、選び方を間違えると規約の面で困ることがあります。
無料版でできること7つ

ここからは具体的な内容に入ります。無料版でできることは想像よりずっと多く、YouTubeに投稿する動画に必要な作業は、ほぼすべてそろっています。私が実際に200本以上作ってきた中で、無料版の段階で身につけておきたい機能を7つ選びました。この7つができれば、動画は問題なく完成します。逆に言えば、これ以外の機能は最初のうち使いません。
動画のカットとつなぎ
編集作業の中心はここです。いらない部分を切り、必要な部分を並べる。動画編集の8割はこの作業で終わります。Filmoraでは、時間の帯の上で動画を切って動かすだけなので、説明書を読まなくても触っていれば覚えられます。最初の1本は、この機能だけで作って構いません。
テロップと字幕の追加
声を出さない動画では、文字が声の代わりになります。画面に文字を置き、表示する時間を決めるだけです。読みやすさを決めるのは、文字の大きさより背景との差です。白い文字を明るい景色に重ねると読めなくなるので、暗い帯を敷くと安定します。
BGMと効果音の挿入
音を入れると動画は一気に見られるものになります。無音の動画は、内容が良くても途中で閉じられがちです。Filmoraには最初から使える音源が入っており、無料版でも一部を利用できます。ただし素材ごとに使える範囲が決められているため、書き出す前の確認が欠かせません。ソフトの契約とは別に、音や効果には個別の条件があります。音の選び方は無料BGMの著作権と安全な選び方で詳しくまとめました。
画面の切り替え効果
場面が変わるところに、ふわりと切り替わる効果を入れられます。多用すると見づらくなるので、章が変わるところだけで十分です。私は1本の動画で3回から5回しか使いません。効果の種類を増やすより、同じものを繰り返すほうが落ち着いて見えます。
音量の自動調整
複数の音を重ねると、片方が聞こえなくなります。Filmoraには音量を自動でそろえる機能があり、これを使うと耳が疲れません。手作業でひとつずつ調整するより、はるかに速く終わります。地味ですが、視聴時間に効く機能です。
縦型ショート動画の書き出し
画面の縦横比を切り替えれば、そのままショート動画を作れます。同じ素材から縦型を作れば、1本の撮影で2本分の投稿になります。始めたばかりの時期は、この使い回しが効きます。作る本数を増やすより、作ったものを使い回すほうが早いです。
内蔵素材とテンプレート
あらかじめ用意された文字の型や図形を使えます。デザインが苦手でも、選んで置くだけで形になります。無料版で使える数は限られていますが、練習の段階では十分です。凝り始めると時間が消えるので、最初は2つか3つに絞ってください。
無料版でできないこと

次に制限の話です。ここを知らずに作り込むと、何時間もかけた動画を書き出したあとで作り直すことになります。私も一度、素材を全部並べ終えてから使えないものが混ざっていると気づき、半日を無駄にしました。先に押さえておけば回避できるものばかりなので、順番に確認してください。一番大きいのは、書き出した動画に入る透かしです。これがどう見えるかで、無料版のまま公開できるかどうかが変わります。
書き出した動画に入るロゴ
無料版で書き出すと、動画にWondershareの透かしが入ります。これは公式に明記されている仕様です。入る位置や大きさについては公式サイトに具体的な記載がないため、実際の見え方は自分の環境で確かめる必要があります。練習用の1本を短く書き出して、目で確認するのが確実です。
使えない一部の素材
内蔵の素材や効果には、有料プランでのみ使えるものが混ざっています。編集画面では選べても、書き出しの段階で制限がかかる場合があります。作り終えてから気づくと手戻りになるため、素材を選ぶときにマークの有無を見る習慣をつけてください。
AI機能の回数制限
自動で文字起こしをしたり背景を消したりするAI機能は、クレジットという回数券のような仕組みで動きます。公式の解説では、無料版は100クレジット、永続ライセンスでは1000クレジットとされています。毎日使う機能ではないので、最初は気にしなくて構いません。
書き出しの画質と長さ
書き出せる画質や動画の長さに制限があるかどうかは、公式サイトに明確な記載が見つかりませんでした。仕様は更新されることがあるため、断定は避けます。長い動画を作る予定がある方は、購入前に短いもので一度書き出して、実際の挙動を確かめてください。
有料版に変える目安

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。結論から言えば、迷っている段階では買わなくて構いません。理由は、使うかどうかもわからない機能に先にお金を払うことになるからです。動画編集で挫折する人の多くは、道具ではなく続ける習慣のところでつまずいています。判断は、無料版で10本作り終えてからで十分です。そもそもFilmoraにするか迷っている段階なら、初心者が動画編集ソフトを選ぶ3つの基準を先に読んでみてください。それでも切り替えを考えたほうがよい場面が3つあるので、順に説明します。
ロゴが気になり始めた時
透かしが入った動画を人に見せるのは、たしかに気が引けます。ただし最初の数本は、そもそも見る人がほとんどいません。**誰かに見られる実感が出てから**で間に合います。逆に、コメントがつき始めたのに透かしが入ったままだと、そこで足を止めることになります。
毎週投稿が続いた時
3か月続けられたなら、これは向いている証拠です。続く見込みが立ってから道具に投資するほうが、順番として自然です。私も最初に払ったのは、続けられると確信してからでした。先に道具をそろえた人ほど、途中でやめています。なお続けても登録者が伸びない場合は、道具ではなく作り方に原因があります。その検証は218本で140人だった記録にまとめました。
使いたい素材が増えた時
作りたい形が具体的になると、無料の素材では足りなくなります。この状態は、腕が上がった証拠でもあります。ここまで来れば、支払う金額に見合う使い方ができます。それまでは、限られた素材でやりくりするほうが上達します。
Filmora無料版の始め方

実際に始める手順を説明します。難しい設定はなく、通常は10分ほどで最初の編集画面まで到達できます。ここでつまずく方はほとんどいません。ただし、最初にしておくと後が楽になる設定がいくつかあり、知らないまま進めると同じ作業を繰り返すはめになります。大切なのは、初日に完璧を目指さないことです。今日は起動して1分の動画を書き出す、それだけで十分だと考えてください。
公式サイトからの入手
Filmoraは公式サイトから入手します。検索結果には配布をうたう別のサイトが並ぶことがありますが、そこからは入れないでください。改造されたものが混ざっている恐れがあり、パソコンごと危険にさらします。公式以外から手に入れる利点は、ひとつもありません。
最初にしておく設定
起動したら、作業データの保存場所だけ決めておいてください。あとから探し回る手間がなくなります。あわせて、自動保存の間隔を短めにしておくと安心です。編集中に固まっても、直前まで戻れます。
最初の1本を作る手順
スマートフォンで撮った30秒の動画を1本読み込み、いらない部分を切り、文字を1つ置いて、書き出す。この流れを一度通せば、全体像がつかめます。最初から凝った動画を目指すと、必ず途中で止まります。今日やることは、完成させることだけです。書き出しに時間がかかる場合は書き出しが遅い時の対処法をご覧ください。操作の順番はFilmoraの使い方を初心者向けに解説した記事にまとめました。
Filmora無料版のQ&A

最後に、購入前によく聞かれる質問をまとめました。どれも私が実際に迷った点で、検索しても答えがなかなか出てこないものばかりです。特に収益化と自動更新に関わる項目は、あとから気づくと金額の面で影響が大きくなります。知らずに進めて損をするのは、いつも確認を後回しにした場合でした。お金が絡む部分こそ、先に確認しておくべきです。気になるところから読んでください。
無料版はいつまで使えるのか
期限はありません。公式サポートに「無料トライアルには有効期限がございません」と明記されています。購入を決めるまで、透かし付きのまま使い続けられます。急かされている気がしても、実際に急ぐ必要はありません。
ロゴは本当に消せないのか
無料版のまま透かしを消す正規の方法はありません。消すには有料プランに切り替えます。なお公式サイトには、新規ユーザー向けに透かしなしで書き出せる特典についての案内が出ている場合があります。条件は変わることがあるため、申し込む前に公式で最新の内容を確認してください。
商用利用してよいのか
自分のチャンネルに自分で作った動画を投稿する範囲であれば、個人向けプランの想定内です。公式ページは個人利用の例として、広告収入を得ているYouTuberの動画投稿を挙げています。一方、企業から依頼を受けて動画を作る場合や法人での利用は、ビジネス向けプランの範囲とされました。同じページには収益化や企業案件が想定されるなら最初からビジネスプランを勧める一文もあるため、案件を受け始めた時点で一度確認しておくと安心できます。
解約や返金はできるのか
年間プランには自動更新の仕組みがあります。使わなくなったら、更新日より前に解約の手続きが必要です。返金の可否や条件は公式の規約に定められているため、購入前に一度目を通しておいてください。ここを読まずに契約すると、翌年に自動で請求されて驚くことになります。
古いパソコンで動くのか
必要な性能は公式サイトの動作環境で確認できます。基準を下回っていても動く場合はありますが、書き出しに時間がかかります。無料版に期限がないので、まず入れて自分のパソコンで試すのが一番確実です。**買う前に、自分の機械で動くことを確かめられる**という点は、無料版ならではの大きな利点と言えます。
買い切りと月額はどちらが得か
2026年9月時点の公式サイトによると、Windows個人向けはベーシック年間プランが6,980円、アドバンス年間プランが7,980円、永続ライセンスが8,980円です。ただし永続ライセンスは購入したバージョンを使い続ける権利で、新しいバージョンに上げるには別途アップグレードの購入が必要になります。永続という言葉から、将来の更新まで含まれると誤解しやすい点に注意してください。
まとめ
Filmoraの無料版は、期限なく使えて、動画を作るのに必要な機能はほぼそろっています。足りないのは透かしの有無と素材の数だけでした。
今日から始める3つの手順
- 公式サイトから無料版を入れる
- 30秒の動画を1本書き出す
- 透かしの見え方を自分の目で確認する
買うかどうかは、10本作ってから決めれば間に合います。いま必要なのは、今日1本、最後まで書き出してみることだけです。
どのジャンルの動画を作るか決まっていない方は、先に方向を決めておくと迷いません。顔も声も出さずに続けられるジャンルは、YouTube顔出しなしジャンル7選でまとめています。


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