「このパソコンで動画編集なんてできるのだろうか」。始める前に、まずここで止まる方が多いはずです。調べると「メモリ16GB以上」「快適に編集するなら20万円」という言葉ばかり出てきます。
私はメモリ8GBのMacBook Airで、顔も声も出さない動画を200本以上作ってきました。買い替えは一度もしていません。
この記事でわかること
- 8GBで実際にできたこと
- 8GBでは無理だったこと
- いまの実売価格の相場
- 買わずに済ませる3つの方法
- 買い替えを決める判断基準
結論を先にお伝えします。顔出しなしの動画なら、いま持っているパソコンで十分に始められます。ただし限界もはっきりあるので、両方を数字で説明します。
安いパソコンで足りる理由

最初に前提を整理します。動画編集が重い作業だというのは事実ですが、それは撮影した映像を大量に扱う場合の話でした。テレビ番組のような映像を想定した推奨性能が、そのまま個人の投稿にも当てはめられているのが実情です。顔も声も出さない動画は、そもそも扱う素材が軽いため、必要な性能がまったく変わります。同じ動画編集という言葉でも、中身によって必要な機械はまるで違います。まずここを分けて考えてください。
8GBで200本作った実測
私が使っているのはMacBook Air M1のメモリ8GB、CPUは8コア、SSDは256GBです。この1台で200本以上を投稿してきました。途中で買い替えたくなった場面はありますが、実際には買い替えていません。少なくとも続けられるかどうかを確かめる段階では、この性能で足ります。
重い作業と軽い作業の差
パソコンが苦しくなるのは、動画を書き出すときと、高画質の素材を並べるときです。逆に、文字を置く、音を重ねる、静止画を動かすといった作業はほとんど負荷がかかりません。編集時間の大半は後者に使います。つまり負荷が集中するのは、作業全体のごく一部でした。
顔出しなし動画が軽い理由
顔出しなしの動画は、静止画や短い映像とBGMで構成されることが多くなります。人物を撮った長時間の映像を扱わないぶん、素材の量が減ります。私の動画も、写真を数枚と音だけで成立しているものが大半です。この作り方であれば、機械への負担は驚くほど小さくなります。
8GBで実際にできたこと

ここからは具体的な数字を出します。「快適」「厳しい」という言葉だけでは、自分に当てはまるかどうか判断できないからです。私が実際に測った範囲でお伝えするので、ご自身の作り方と照らし合わせてみてください。もちろん使い方によって差は出ますが、目安にはなるはずです。自分の使い方がここに収まるなら、買い替えは要りません。3つに分けて説明します。
2時間の動画までの編集
いちばん長いもので、2時間の動画を編集できました。作業用BGMのように長い動画でも、素材が静止画と音であれば問題なく扱えます。途中で操作が重くなることはありますが、作業が止まるほどではありません。長さそのものは、8GBでも壁になりませんでした。
30分かかる書き出し
完成した動画をファイルにする書き出しには、およそ30分かかります。この間はパソコンがほぼ占有されるため、別の作業はできません。ただし止まっているわけではなく、待てば終わります。私は寝る前に書き出しを始めて、朝に確認する形にしていました。
静止画とBGM中心の制作
私の動画は、写真を数枚とBGM、それに文字を重ねる構成です。この作り方であれば、8GBでも詰まりません。逆に言えば、この構成に収めているから成立しているとも言えます。**機械に合わせて作り方を決める**という考え方は、遠回りに見えて一番早い方法でした。使うBGMの選び方は無料BGMの著作権と安全な選び方にまとめています。
8GBで無理だったこと

できることばかり並べても正確ではないので、限界も正直に書きます。実際に苦しくなった場面は決まっていて、どれも事前に予測できるものでした。裏を返せば、その3つさえ避ければ8GBのまま走り続けられるということです。先に知っておけば、作業のやり方を切り替えるだけで回避できます。買い替えの前に、まず自分がどれに当たっているかを確かめてください。
4K素材の編集
これははっきり無理でした。4Kで撮った映像を読み込むと、再生がかくつき、作業になりません。私はここだけは諦めて、扱う素材の画質を落として運用しています。4Kを扱うつもりなら、8GBでは戦えません。逆に言えば、4Kを使わない作り方を選べば問題は起きません。
同時起動でのメモリ不足
編集ソフトとブラウザを同時に開くと、一気に苦しくなります。私の環境で実際に測ったところ、メモリが足りずディスクに退避する量が20.4GBに達していました。用意されている容量が21.5GBなので、ほぼ限界です。原因は編集ソフトではなく、開いたままのタブの数でした。
作業中に固まる瞬間
限界を超えると、画面がチカチカ点滅しはじめます。同じときに測った数値では、CPUへの負荷が本来の3.7倍に達していました。画面を描く処理が追いつかず、描画が飛んでいる状態です。これは故障ではなく、単純に手が足りていないだけでした。原因がわかれば怖くありません。
動画編集パソコンは何万円か

では買うとしたら実際いくらかかるのか、メーカーの公式サイトで確認しました。ここが多くの記事で古いまま放置されている部分です。「10万円以下で動画編集」と書かれた記事を見かけますが、同じ条件のものは、いまその金額では買えませんでした。値段は上がっています。相場を知ると、買い替えないという選択が現実的に見えてきます。以下はすべて2026年9月時点の税込価格です。
16GBノートの実売価格
マウスコンピューターの公式サイトで、メモリ16GBのノートパソコンを調べました。もっとも安いモデルで137,800円、通常価格では149,800円です。15.6型で保存容量の多いモデルになると166,800円でした。いずれも税込で、動画編集専用ではなく一般向けの機種になります。
MacBook Airの現在の値段
Appleの公式サイトによると、13インチのMacBook Airは224,800円からでした。注目したいのは構成で、いまのMacBook Airはメモリ16GBが最低構成になっています。つまり私が使っている8GBのモデルは、新品では買えません。裏を返せば、8GB機を持っている方は、すでに200本作れる機械を持っているということです。
クリエイター向けの価格帯
映像制作向けをうたうモデルも見ました。画面処理の専用部品を積んだ14型で299,800円です。4Kを扱うならこの価格帯が視野に入りますが、始めたばかりの段階で必要かというと違います。**この金額を出す前に、いまの機械で10本作ってみてください**。
買う前に試す3つの手

買い替えを考える前に、無料でできることがまだ残っています。私は実際にこの3つだけで、8GBのまま200本を作りきりました。特別な設定も、追加の出費もありません。順番にも意味があり、上のものほど効果がはっきり出ます。重いと感じたら、まずこの順番で試してください。ひとつ試すごとに動作を確かめると、自分の環境で何が効いたかがわかります。
使っていないソフトを閉じる
いちばん効くのはこれです。編集ソフトは使っていない間も大きくメモリを使い続けます。私は編集していないときは必ず終了させています。実測したときも、編集ソフトがCPUの71.8%を使っていました。閉じるだけで、体感がはっきり変わります。
ブラウザのタブを減らす
次に効くのがタブの整理です。私が過負荷を測ったとき、ブラウザの内部処理が79個立ち上がっていました。タブにすると45枚以上です。タブは開いているだけで、閉じたソフトより重くなることがあります。それでも直らないときは、ブラウザ自体を再起動してください。
外付けの保存装置に素材を逃がす
写真や動画の素材は、外付けのハードディスクに移して使っています。本体の保存容量が埋まると、動作そのものが遅くなるためです。私の本体は256GBしかないので、これをしないと成立しません。数千円から買えるうえ、パソコンを買い替えるより圧倒的に安く済みます。ただし1台だけに頼るのは危険で、私は大量コピー中に接続が4回切れました。その経緯は動画編集の外付けHDDの注意点にまとめています。
安いパソコンのQ&A

最後に、購入を迷っている方からよく出る質問をまとめました。どれも私自身が調べた時期があり、そのときは答えが見つからず判断に困ったものばかりです。買い物に関わる話なので、あいまいなまま進めると金額の差が数万円単位で変わってきます。逆に、答えさえ持っていれば数分で決められる内容でもありました。迷っている時間そのものが、いちばんの損失です。気になるところから読んでください。
メモリは8GBで足りるのか
顔出しなしの動画で、静止画と音が中心であれば足ります。私は8GBで200本作りました。ただし4Kを扱う場合や、複数のソフトを同時に開く使い方では足りません。**自分の作り方が前者に収まるかどうか**が判断の分かれ目になります。
中古でも大丈夫なのか
性能面では選択肢に入ります。ただし電池の劣化具合や保証の有無は、外から見ても判断できません。安さだけで選ぶと、修理費で結局高くつくことがあります。はじめての1台としては、保証の付いた新品か、いま持っている機械を使い続けるほうが安全です。
WindowsとMacどちらか
どちらでも作れます。私はMacですが、これは以前から使っていたからで、選んだ結果ではありません。編集ソフトは両方に用意されています。決められないなら、いま持っているほうを使ってください。慣れた操作を捨てるほうが、遠回りになります。
4K編集には何が必要か
4Kを扱うなら、メモリ16GB以上が現実的な出発点になります。もうひとつ、素材を一時的に軽い形式に変換してから編集する方法も知られています。私は4Kを使わない作り方に切り替えたため、この方法は試していません。試す場合は、お使いのソフトの説明を確認してください。
買い替えの見極めは何か
判断の基準は「作れないかどうか」ではなく「待ち時間が仕事を止めているかどうか」です。書き出しに30分かかっても、寝ている間に終わるなら問題になりません。**投稿の本数が減りはじめたとき**が、買い替えを考える時期です。それまでは今の機械で足ります。
デスクトップのほうが得か
同じ金額なら、デスクトップのほうが高い性能を選べます。ただし持ち運べません。私は撮影に出るので、持ち運べることを優先しました。作業する場所が家の中だけで決まっているなら、デスクトップは合理的な選択になります。
まとめ
顔出しなしの動画であれば、メモリ8GBのパソコンでも200本以上作れます。壁になったのは4K素材と、ソフトの同時起動だけでした。
今日からやる3つの手順
- 編集していないときはソフトを閉じる
- ブラウザのタブを減らす
- 素材は外付けの保存装置に移す
いま新品でメモリ16GBのノートを買うと、13万円から22万円かかります。その前に、いまの機械で10本作ってみてください。それで足りるなら、その金額は使わずに済みます。
編集ソフトがまだ決まっていない方は、無料で試せるものから始めるのが確実です。Filmora無料版の制限とロゴを調べた記事もあわせてご覧ください。そもそも何を作るか決まっていない方は、顔出しなしで続けられるジャンル7選から読むと順番がつかめます。


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